今日受講した日本板硝子主催のセミナーにて
『板ガラスの耐震設計』の話がありました。
先の東日本震災の状況も踏まえての内容で
とても大切なことだと思いましたので
今日はそのことについて話します。
破損したガラスはどれくらいの範囲で飛び散るのでしょうか。
数式で表すならば ガラスの飛散距離=落下高さ÷2
つまり15mほどの高さにあるガラスが割れた場合、
ガラスの破片は約8mほど周囲に飛び散るということです。
これが直下型地震の場合、高さと同じ距離まで飛散する
場合もあるそうです。15mというと道路を挟んだ反対側まで
破片は飛び散るということです。 これは危険です。
地震をなくすことは不可能です。
建物を揺れないようにするには設計段階からの取り組みが必要です。
そして、建物の揺れによってガラスが割れないようにするにはガラスの設計が必要となり、
割れた場合には、ガラス片が飛散しないためには【防災ガラス】の採用が必要となります。
先日【安全ガラス】についての記載をしましたが
今回はもう一歩進んで【防災ガラス】です。
【防災ガラス】とは
地震の影響で建具の変形による破損や
室内での家具などの衝突による破損、
地震(台風、突風)に対して被害を軽減する
効果があるガラスをいいます。
具体的にいうならば
防災ガラスとは30ミル以上の合わせガラス
を指します。
なぜ合わせガラスなのか。
それはガラス破片を飛散させないことが目的だからです。
メーカーによる破壊実験を行った結果、
一般的な単板ガラスは、破損した場合にガラスが一斉に飛散。その割合は約60%です。
飛散防止フィルムを貼った場合、脱落抑制効果はあるものの、フィルム破断による開口が生じ、
約5%が飛散しました。
それが合せガラスの場合は大きな破片が飛散せず、飛散率は約2%。
最も脱落・飛散防止効果があるガラスでした。
ちなみに30ミルとは、2枚のガラスの間に圧着
されているフィルム厚のことで約0.8ミリです。
一般的な合わせガラスのフィルム厚は15ミル。
30ミル以上は【防犯ガラス】として認定されて
います。
つまり、これからは・・・
防災ガラス ≒ 防犯ガラス
という考え方が必要だということです。
防災ガラス(防犯ガラス)は今お使いの窓に
そのままお使いいただけます。
財産といのちを守る防犯ガラスにもう一つ、災害から家族を守る意味ができました。
適材適所でお使いいただきたいガラスです。